膵癌 におけるBRCA1/2遺伝子検査の意義について

膵癌 患者の 4 ~ 7%は、BRCA1またはBRCA2遺伝子に生殖細胞系列の病的バリアントを持っていると推定されています[1]。これらの遺伝子は、相同組換えによる二本鎖 DNA 切断の修復に役立ち、ゲノム安定性の維持に機能している癌抑制遺伝子です。相同組換えが不十分な細胞(BRCA1/2に病的バリアントを持つ細胞など)は、オラパリブなどのPARP阻害薬に感受性があり、生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子に病的バリアントを持つ乳癌または前立腺癌患者および卵巣癌患者に有用であることが証明されています[2],[3],[4]
POLO試験[1]は、生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子に病的バリアントをもつ遠隔転移を有する膵腺癌患者における、オラパリブ単剤維持療法の有用性をプラセボと比較検討し評価することを目的としたランダム化二重盲検第III相試験です。生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子バリアントをもち、プラチナ製剤を含む一次化学療法後 16 週以内に病勢進行がなかった遠隔転移を有する膵腺癌患者を対象とした本試験では、プラセボ群と比較してオラパリブ投与群における無増悪生存期間(PFS)の臨床的に有意な延長が認められました。PFS の中央値は、プラセボ群が 3.8 か月であったのに対し、オラパリブ群は 7.4 か月でした[3]

膵癌 における検査の使用目的

全血から抽出したゲノム DNA 中の生殖細胞系列のBRCA1またはBRCA2遺伝子変異を検出し、オラパリブの膵癌患者への適応を判定するための補助に用います。

BRCA1/2の遺伝学的検査に関連する情報および 学会について

膵癌患者に対するコンパニオン診断としてのBRCA1あるいはBRCA2の遺伝子検査に関連する情報については以下の関連学会をご参照ください。

専門学会 ウェブサイトURL
日本膵臓学会(JPS) http://www.suizou.org/
[1] Golan T, et al. Maintenance olaparib for germline BRCA-Mutated metastatic pancreatic cancer. N Engl J Med 381;4. July 25, 2019
[2] Robson M, et al. Olaparib for metastatic breast cancer in patients with a germline BRCA mutation. N Engl J Med. 2017;377(6):523-533.
[3] Moore K, et al. Maintenance olaparib in patients with newly diagnosed advanced ovarian cancer. N Engl J Med. 2018;39(26):2495-2505.
[4] M. Hussain, et al. PROfound: Phase III study of olaparib versus enzalutamide or abiraterone for metastatic castration-resistant prostate cancer (mCRPC) with homologous recombination repair (HRR) gene alterations. European Society for Medical Oncology Volume 30 | Supplement 5 | October 2019

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