ミリアド・ジェネティクス、MyChoice®診断システム について

日本での保険適用を追加取得

包括的検査として、リムパーザ®による初回維持療法の効果が期待できる
進行性卵巣癌患者さんの選定に有用

遺伝子検査および個別化医療のリーダーであるミリアド・ジェネティクス(NASDAQ:MYGN)(以下、ミリアド)は、日本でMyChoice®診断システムについて保険適用を追加取得したことを発表しました。

ミリアドのMyChoice®診断システム は、BRCA1/BRCA2などの遺伝子の様々なバリアントによって生じる相同組換え修復欠損(Homologous Recombination Deficiency:HRD)(以下、HRD)を判定する包括的な腫瘍検査です。MyChoice®診断システムにより、BRCA1またはBRCA2遺伝子の病的バリアントを持つBRCAmの患者さん、およびHRD陽性腫瘍の患者さんを対象とすることができるため、医療従事者はリムパーザ®(一般名:オラパリブ)による初回化学療法後の維持療法が適応となる進行性卵巣癌の患者さんを選定できます。MyChoice®診断システムは、2020年11月に日本の厚生労働省より卵巣癌へのリムパーザ®の適応を判断するコンパニオン診断として承認されていますが、今回、卵巣癌に対する四次治療における保険適用に加え、初回治療における使用についても保険適用を取得しました。

世界がん研究基金によれば、卵巣癌は女性で8番目に多く発生する癌です。Ovarian Cancer Research Alliance(卵巣癌共同研究)によれば、患者さんの多くが診断時に進行期(Ⅲ~Ⅳ期)であり、5年生存率は約30%です。進行性卵巣癌の患者さんにとって、初回治療の主な目的は疾患の進行をできる限り遅らせて生活の質を維持することです。

慶応義塾大学医学部産婦人科の青木大輔教授は次のように述べています。「今回の承認により、医師による卵巣癌患者さんに対する有効な治療選択肢が増えました。リムパーザ®による維持療法で治療効果が期待できる患者さんを、ミリアドのMyChoice®診断システムによって選定できるようになります。」

ミリアドの MyChoice®診断システムは、二本鎖DNA切断の修復能力を失った癌患者さんを選定するこができます。それにより、癌治療でよく使用されるPARP阻害薬などのDNA損傷薬剤の感受性が高まります。2020年8月、米国臨床腫瘍学会は、BRCAmおよびHRD陽性の進行性卵巣癌患者の治療と管理を目的としたPARP阻害薬の使用に関する推奨において、MyChoice®診断システムのみを取り上げています。臨床試験結果に基づくこの新たな推奨事項はJournal of Clinical Oncologyに発表されました。MyChoice®診断システムはPAOLA-1試験およびSOLO-1試験でも採用されています。

ミリアド・ジェネティク・ラボラトリーズ (Myriad Genetic Laboratories) 社長のニコル・ランベール (Nicole Lambert)は次のように述べています。「進行性卵巣癌患者さんの治療方針を決定する上で、遺伝子検査および個別化医療の活用はますます重要となっています。MyChoice®診断システムの承認と保険適用の追加取得により、日本の医療従事者は、分子標的治療の効果が期待できる患者さんをより高い精度で選定し、治療ができるようになります。アストラゼネカ社との協働は、業界のリーダー同士の強固な連携が患者さんや医療従事者への貢献につながる一例です。」

ミリアドは、2007年からアストラゼネカ(LSE/STO/NASDAQ:AZN)と協力して、リムパーザ®のためのコンパニオン診断薬を開発してきました。リムパーザはアストラゼネカ社の商標です。リムパーザ®は、アストラゼネカ社とメルク社(米国・カナダ以外ではMSD社として知られています)が共同で開発、商品化しています。さらに、ミリアドはH.U.グループホールディングス社の子会社であるエスアールエル社と提携して、日本国内でMyChoice®診断システムを販売しています。

MyChoice®診断システム について

ミリアドのMyChoice®診断システムは、相同組換え修復機能欠損(HRD)を判定する包括的な検査であり、二本鎖DNA切断の修復能力を失った癌患者さんを選定するこができます。それにより白金製剤やPARP阻害薬などのDNA損傷薬剤の感受性を高めることができます。MyChoice®診断システムは、腫瘍のBRCA1およびBRCA2遺伝子シークエンシングと3つの独自の技術(ヘテロ接合性の消失、テロメアアレル不均衡、大規模な状態遷移)の複合で構成されています。詳しい情報は、こちらをご覧ください。

エスアールエル社について

株式会社エスアールエルは、日本の大手医療グループであるH.U.グループホールディングス(H.U. Group Holdings、 Inc.)の子会社で、1970年の設立以来、国内最大の臨床検査受託機関として、包括的な検査サービスを提供してきました。1年間の実施検査数は4億件近くにのぼり、一般・緊急検査、特殊・研究検査、コンパニオン診断検査、ゲノム解析など幅広い検査事業を提供しています。詳細についてはこちらをご覧ください。

ミリアド・ジェネティクスについて

ミリアド・ジェネティクスは個人に重要な遺伝情報を提供することで人々の健康と幸せな日常生活を向上させ、医療従事者には疾患をより的確に検出し、治療と予防につながることを目的とした遺伝子検査と個別化医療のリーディングカンパニーです。 ミリアドは遺伝子検査により患者さんの治療を大幅に改善し、医療コストの削減を実現できる複数の医療分野において、発症リスクの判定、高い精度の疾病診断、疾病進行リスク評価、治療判断指針などに役立つ遺伝子検査の開発および商品化を行っています。詳細についてはこちら(英語日本語)をご覧ください。

Myriad、Myriadのロゴ、BART、BRACAnalysis、 Colaris、 Colaris AP、 myPath、 myRisk、 Myriad myRisk、 myRisk Hereditary Cancer、 MyChoice、 myPlan、 BRACAnalysis CDx、 Tumor BRACAnalysis CDx、 MyChoice CDx、 Vectra、 Prequel、 Foresight、 GeneSight、 riskScore および Prolarisは、Myriad Genetics社またはその米国内外の完全子会社(MYGN-F、MYGN-G)の商標または登録商標です。

免責条項に関する記述

本プレスリリースには、1995年米国証券民事訴訟改革法 (Private Securities Litigation Reform Act of 1995) の意義の範囲内で、「将来の見通しに関する記述」が含まれている。将来の見通しに関する記述とは、日本国内で卵巣癌に対する初回治療におけるリムパーザ(オラパリブ)の使用についてMyChoice®診断システムに保険適用が追加、および「ミリアド・ジェネティクスについて」のキャプションにある同社の戦略的方向に関する記述などである。現時点での今後の事象に対する同社経営陣の見通しに基づくもので、多くのリスクや不確実性の結果として、将来の見通しに関する記述に記載される、または示唆される内容とは、実際の結果が大きく異なる、または悪い方向になる可能性がある。このようなリスクと不確実性には以下などがあるが、これらに限定されない: COVID-19に関連する不確実性 (経営や製品サービスへの影響など)。COVID-19に関連する不確実性のなか経営を効率的かつ柔軟に管理する同社の能力。同社の分子診断検査、医薬品および臨床サービスの売上および利益率が低下するリスク。不測のコストや遅延などによる既存の製品ポートフォリオから新しい試験へと移行する同社の能力に関連するリスク。同社検査に対する政府または民間の保険償還レベルの決定や変更、あるいは既存の試験と同等のレベルで新しい検査への保険適用を獲得する同社の能力に関連するリスク。競争の激化や競合する新しい検査サービスの開発に関連するリスク。追加の分子診断検査、医薬品および臨床サービスをタイムリーに、または全く開発できない、あるいは商業的成功を達成できないリスク。同社の分子診断検査、医薬品および臨床サービスの新規市場を開発できないリスク (米国外で収益を得る能力を含む)。同社の分子診断検査、医薬品および臨床サービス、ならびに将来的な試験およびサービスの技術ライセンスが終了する、あるいは十分な期間維持できないリスク。試験施設および医療施設運営の遅延などの問題に関連するリスク。一般的な遺伝子検査または同社の検査に対する一般社会の懸念に関連するリスク。米国または外国での規制要求事項または施行に関連する、ならびに医療制度や医療支払制度の構造変化によるリスク。新しい企業連携やライセンスを獲得する、ならびに十分な期間で新技術や新事業を取得する同社の能力に関連する、あるいはまったく取得できないリスク。同社が認可する、または取得する技術や事業からの便益を統合し、引き出す同社の能力に関連するリスク。同社の事業、業績、財務状況に関する予測に関連するリスク。同社製品サービスに対する潜在的な市場機会に関連するリスク。同社検査の専有技術を同社またはライセンス供与者が保護できない、あるいは第三者がこれを侵害するリスク。特許侵害請求、あるいは同社の特許または他の知的財産権の有効性に対する異議申し立てのリスク。同社の分子診断検査、医薬品、および臨床サービスに関連する知的財産法、ならびに米国および外国での特許または施行法の変更に関連するリスク (Mayo Collab.Servs. v. Prometheus Labs., Inc., 566 U.S. 66 (2012)、Ass’n for Molecular Pathology v. Myriad Genetics, Inc., 569 U.S. 576 (2013)、Alice Corp. v. CLS Bank Int’l, 573 U.S. 208 (2014) の最高裁判決など)。米国および国際的な新技術、技術の変化、競合技術、ならびに新規制、規制変更、相反する規制に関連するリスク。信用/融資契約の財務制限条項を順守できないリスク。信用/融資契約の期限までに約定額を支払えないリスク。2020年6月30日に終了し、証券取引委員会に提出された同社最新の事業年度の報告書Form 10-Kの項目1A見出し「リスク要因」、ならびに四半期ごとに提出されるForm 10-Qの報告書または最新の報告書Form 8-Kに記載されるその他の要因。本プレスリリースの情報はすべて発行日時点の情報に基づくもので、法律で義務付けられている場合を除き、ミリアドは情報を更新する義務を負わない。

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