BRACAnalysis®診断システムの製造販売承認を日本で取得

米国東部夏時間(EDT)2018年4月2日午前7時5分
ミリアド、BRACAnalysis®診断システムの製造販売承認を日本で取得

米国ユタ州ソルトレークシティ、2018年4月2日(GLOBE NEWSWIRE)―ミリアド・ジェネティクス(NASDAQ:MYGN)の完全子会社であるミリアド・ジェネティクス ラボラトリーは、BRACAnalysis®診断システム(以下「BRACAnalysis」)が、ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であるリムパーザのコンパニオン診断としての適応で、日本の厚生労働省から製造販売承認を取得したことを本日発表しました。リムパーザは、AstraZeneca社およびMerck社(米国およびカナダ以外ではMSD社)が販売しています。
AstraZeneca社Precision Medicine and Genomics部門のシニア・バイス・プレジデントであるルース・マーチ博士(Ph.D.)は次のように述べています。「当社の長年に渡るミリアド・ジェネティクスとの提携により、革新的なコンパニオン診断を日本の乳がんの患者さんにお届けできることになりました。これは、個別化医療を世界中の対象患者さんに広げようという両社が共有する願いの現れです。」
AstraZeneca社とMerck社は、BRCA遺伝子変異のある遠隔転移を伴う乳がん患者さんの治療を適応として、リムパーザの日本での承認を申請中です。BRACAnalysisは、日本で承認を取得した最初かつ唯一のPARP阻害剤のコンパニオン診断検査です。この検査は、米国ではBRACAnalysis CDx®という商品名で販売されています。
ミリアド・ジェネティクスInternational Operations部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるゲイリー・A・キングは次のように述べています。「日本での承認取得は当社にとって大きな到達点であり、当社のすべての臨床検査が備えている高い品質基準を反映しています。日本で承認されたこの唯一の検査を、当社は提携先と協力し、遠隔転移を伴う乳がんの患者さんに、リムパーザの承認取得後、同剤とともに広くご提供いたします。」
現在、日本では、BRACAnalysisの検査対象となる遠隔転移を伴う乳がんの患者さんは約4万人にのぼり、1年間に診断されるHER2陰性乳がんの新規症例数は1万5千例と推定されます。ミリアドは、BRACAnalysisを日本で商品化するため、みらかグループの系列会社であり、日本最大規模の臨床検査受託機関であるエスアールエル社と独占的な業務提携契約を結んでいます。
婦人科腫瘍医であり、ミリアド・ジェネティクスの最高医学責任者(CMO)であるジョナサン・ランカスター医学博士(M.D./Ph.D.)はこう述べています。「日本の乳がん専門医の皆さんは、遠隔転移を伴う乳がんの患者さんに、生殖細胞系列のBRCA1またはBRCA2遺伝子変異がないかどうかを確認するため、BRACAnalysisの検査を実施することができます。重要なのは、BRCA遺伝子変異があると分かった患者さんでは、直ちにリムパーザによる治療を検討することができるということです。」

BRACAnalysis®診断システムについて

BRACAnalysisは、患者さんのBRCA1およびBRCA2遺伝子にある臨床的に意義のあるバリアント(DNA配列の変化)を分類する診断システムです。バリアントは「病的変異」、「病的変異疑い」、「臨床的意義不明のバリアント」、「遺伝子多型の可能性」または「遺伝子多型」の5つのカテゴリのいずれかに分類されます。分類が完了すると、その結果が国内の医療従事者に送付され、患者さんがリムパーザによる治療の対象であるかどうかを判断するために用いられます。
ミリアドは2007年以来、AstraZeneca社と協力し、リムパーザのコンパニオン診断薬の開発に携わってきました。BRACAnalysis CDx®は、2014年12月には進行卵巣がんの患者さん、さらに2018年1月にはHER2陰性の遠隔転移を伴う乳がんの患者さんを対象として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。

リムパーザ(オラパリブ)について

リムパーザは、最初に承認された経口PARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異などのDNA損傷応答(DDR)経路の異常を標的とし、がん細胞を優先的に細胞死させると考えられる最初の分子標的治療薬です。具体的には、複数のin vitro試験で、リムパーザによる細胞毒性によってPARP酵素活性が阻害されるとともに、PARP-DNA複合体の生成が増加し、その結果DNA損傷およびがん細胞死が生じると考えられることが示されています。
現在、DDR経路に異常をきたしたさまざまながん種を対象としてリムパーザの試験が進行しています。リムパーザは、がん細胞のDDR機構を標的としたAstraZeneca社の業界屈指の新薬候補群の基盤となっています。
リムパーザ®はAstraZeneca社の登録商標です。2017年7月、AstraZeneca社とMerck社は、リムパーザの共同開発および共同販売のため、がん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。

エスアールエル社について

株式会社エスアールエルは、日本国内の主要なヘルスケアグループであるみらかグループの一員であり、1970年の設立以来、国内最大の臨床検査受託機関として、包括的な検査サービスを提供してきました。1年間の実施検査数は4億件近くにのぼり、一般・緊急検査、特殊・研究検査、コンパニオン診断検査、ゲノム解析など幅広い検査事業を提供しています。詳細についてはhttp://www.srl-group.co.jp/をご覧ください。

ミリアド・ジェネティクスについて

ミリアド・ジェネティクスは、先駆的な分子診断薬を通して世界中の患者さんの生活を変えていく信頼できるアドバイザーであることを目指す個別化医療のリーディングカンパニーです。当社は、分子診断薬によって大幅な治療の改善と医療費の削減が可能な6つの主要な医療専門分野において、発症のリスク確認、正確な診断、疾患進行のリスク評価、および治療決定の指針提示のための分子診断検査法を発見し、商品化しています。当社は、次の5つの戦略的課題に重点的に取り組んでいます。すなわち、遺伝性がんでの強固な基礎構築、新製品数の増加、新製品への保険適用の拡大、国際的なRNAキット収益の増加、およびElevate 2020プログラムを通じた収益性の向上の5つです。患者さんの人生を変えるためのミリアドの取り組みの詳細については、当社ウェブサイトwww.myriad.comをご覧ください。
Myriad、Myriadのロゴ、BART、BRACAnalysis、Colaris、Colaris AP、myPath、myRisk、Myriad myRisk、myRisk Hereditary Cancer、MyChoice、myPlan、BRACAnalysis CDx、Tumor BRACAnalysis CDx、MyChoice HRD、EndoPredict、Vectra、GeneSight、riskScore、およびProlarisは、ミリアド・ジェネティクスまたはその米国内外の完全子会社(MYGN-F、MYGN-G)の商標または登録商標です。

免責表明

本プレスリリースには、The Private Securities Litigation Reform Act of 1995(1995年米国民事証券訴訟改革法)の意義の範囲内での「将来の見通しに関する記述」が含まれています。例えば、AstraZeneca社のPARP阻害剤リムパーザのコンパニオン診断としてBRACAnalysisを用いることに関連する記述、AstraZeneca社が、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異があり、かつHER2陰性の遠隔転移を伴う乳がん患者さんの治療を適応として、リムパーザの日本での承認を申請中であること、当社が提携先と協力し、遠隔転移を伴う乳がんの患者さんに、リムパーザの承認取得後、同剤とともにBRACAnalysisを広く提供する予定であること、日本でBRACAnalysisの検査対象となる遠隔転移を伴う乳がん患者さんの人数および日本で1年間に診断されるHER2陰性の遠隔転移を伴う乳がんの新規症例の推定数、当社がみらかグループの系列会社であるエスアールエル社と提携してBRACAnalysisを商品化すること、ならびに「ミリアド・ジェネティクスについて」の項に記載した当社の戦略的方向性などです。こうした「将来の見通しに関する記述」は、将来の事象についての当社の経営陣による現在の予測に基づくものであり、実際には、これらの記述の中で明記または示唆されていることとは悪い意味で大きく異なる結果を引き起こし得る、多数のリスクや不確実性の影響下にあります。こうしたリスクや不確実性として、次のものが挙げられます(ただし、これらに限りません)。すなわち、当社の既存の分子診断検査、医薬品事業、および臨床事業の売上や利益幅が下がるか、または従来の率で上昇し続けなくなるリスク、当社の既存の製品群から新規の検査へと移行する能力に関連するリスク、公的もしくは民間の保険機関による当社の検査への保険償還率の変更に関連するか、または当社の新規の検査に対して既存の検査と同程度の償還を得る能力に関連するリスク、競合の激化ならびに競合する新規の検査およびサービスの開発に関連するリスク、当社が新規の分子診断検査、医薬品事業、および臨床事業の開発もしくはその商業的成功の達成を適時に実現できないか、または全く実現できないリスク、当社が分子診断検査、医薬品事業、および臨床事業の新たな市場の開拓に成功しないリスク(米国外で十分な収益を上げる当社の能力を含む)、当社の分子診断検査、医薬品事業、臨床事業、ならびに今後の新規の検査の基盤となる技術のライセンスが終了するか、または十分な条件で保持できなくなるリスク、当社の臨床検査施設の運営に関する遅延またはその他の問題に関連するリスク、遺伝子検査全般または特に当社の検査に対する一般の人々の懸念に関連するリスク、米国内外における規制要件またはその施行および医療制度または医療費支払い制度の構造の変化に関連するリスク、当社が新規の企業提携またはライセンスの取得をする場合、および新規の技術または事業を買収する場合に、十分な条件でそれを達成する能力に関連するリスク、当社がライセンスを取得するか、もしくは買収した技術または事業(当社が買収したAssurex社、Sividon社、およびthe Clinicなど、ただしこれらに限りません)を統合し、かつそこから利益を獲得する能力に関連するリスク、当社の製品の潜在的な市場機会についての予測に関連するリスク、当社の検査の基盤となる特許技術を当社もしくは当社のライセンサーが保護することができないか、または第三者が侵害するリスク、当社の特許の有効性に対する特許侵害請求または異議申し立てのリスク、当社の分子診断検査、医薬品事業、臨床事業、および特許またはその施行に適用される米国内外の知的財産法の変更に関するリスク[当社に対してthe Association for Molecular Pathology(米国分子病理学会)その他が起こした訴訟における最高裁判決など]、米国内外における新規の革新的かつ競合的な技術および規制のリスク、当社が与信または貸付契約下の財務運営に関する条項を遵守できないリスク、当社が与信または貸付契約下で支払う義務のある金額を支払期限までに支払うことができなくなるリスク、ならびにその他のリスク要因[当社の年次報告書(2017年6月30日までの事業年度のForm 10-K、米国証券取引委員会に提出済み)の1A項の「リスク要因」で検討]およびこれらのリスク要因の更新事項[当社の四半期報告書(Form 10-Q)または臨時報告書(Form 8-K)にて適宜提出]が挙げられます。

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